東京5年間の太田さんの敷地内プレハブ2階での生活

 

 6畳一間、プレハブの部屋での生活が始まる。

 一人暮らしは初めてで首都東京での生活は規則正しいリズム。

 最初の1年間は大学浪人だったので朝8時過ぎに部屋を出て、昼過ぎ午後3-4時頃帰ってくる。

 部屋の中に小さな水道の蛇口が一つあるだけで、寒い冬の日には蛇口の水が凍ってしまう。

 今から考えると足元に電気ストーブをつけていたが、火事が心配で石油ストーブも使っていなかった。部屋で息をすると白くなるほどの寒さ。

 食事は、朝は、電気炊飯器でご飯を仕立て、ボンカレーを直接炊飯器に入れて食べていた。

 昼は、予備校で、夕食は殆どあんちゃん推薦の近くの中華料理店竜公亭で、'いつものチャーハン'を頼んで食べていた。

 よく毎日食べても飽きなかったと考えるが、飽きるも何もつか得る食費に限りがありマスター(久我)さんの厚い配慮により栄養満点の大盛りチャーハンをいつも作ってもらった。いまでも、これまで食べたものの中で一番懐かしく美味しい食事だった。

 たまに、別の店で「焼肉定食」を食べることがあるがそれは特別何かいいことがあったり月の下旬ごろ少しお金が残っていた時に限られていた。

 このような生活をしていても少しも不自由だとは思えなかった。それどころか、たまに大好物のリンゴが買えることがあると嬉しくてりんごを入れた袋を抱え部屋まで飛んで帰ってかぶりつき満たされた気持ちになったものだ。

 明日は、2階の私の下宿部屋の隣の太田さんのところで働いていた社員に肝を冷やした事件⁉️