ビアガーデンのピーナッツが語る

 

コロナ禍ですが、暑い夏をビアガーデンですごしたいですね。
ビールといえば、なんとなくおつまみのピーナッツに手が出ますね。

ところでピーナッツのフランス語をご存じですか?

やっとの思いでおぼえました。

cacahouete,カカウエットゥといいます。
英語のピーナッツと似ても似つかない言葉です。

peaは豆、nutは木の実なので、木の実のような豆のことですね。

せっかく覚えたのでもう少し、辞書をみてみました。

学名はラテン語からのArachis hypogaea  アラキス・ヒポゲアでアラキスは花梗(花柄)がない,ヒポゲアは地中に実ができるの意味です。

フランス語では食べるピーナッツをカカウエットゥといい、植物としてのピーナッツはアラシッドといいます。
ラテン語がフランス語のお母さんなのでアラシッドについてはわかります。

余談ですがこのような表記の仕方はほかにもあります。栗をmarron、本当はchataigne.シャテーニュ栗の木をchataignierシャテニエといいます。
ややっこしいですがmarronierはマロニエの木のことです。
 
さてカカウエットゥという言葉はどこからきたのでしょうか?
スペイン語ではカカウエテといいます。
いよいよルーツがみえてきました。
カカウエテの語源はアステカ族の古典ナワトル語で(地中のカカオ)という意味だそうです。
スペイン語cacahuete←ナワトル語tlacacahuatl←tlalli土地+cacahuatlカカオの種です。

さあ、カカオとピーナッツ、にているんでしょうか?
なるほどカカオの果実には種子がつまっていてピーナッツに似ていますね。

カカオの原産地メソアメリカでは紀元前1900年頃からカカオが利用されていました。
1502年コロンブスが現在のホンジュラス付近でカカオの種子を入手し、スペインへ持ち帰っています。

カカオ豆は神への供物(Theobroma学名ギリシャ語で神theosのたべものbroma)として貴重品でしたので貨幣としても用いられた形跡があります。
メスの七面鳥はカカオ豆100個,オスは200個と交換できました。
メスのほうが卵を産むのに安いんですね。

カカオが高いのでせめて(地中のカカオ)でもというわけで、庶民はピーナッツをたべたのでしょうか?
お坊さんが精進料理のがんもどきを雁の味を想像してたべたのと似ていますね。

せっかくのビールがぬるくなります。ここらで一杯どうぞ。