私の座右の銘である一期一会と、永く手紙の最後に書いた健康、勇気、自信とかいう言葉

 

 まず一期一会という言葉に出会ったのは、中学3年で「全国中学添削会」で、添削をするようになってから、その送られてくる問題を解いて郵送した後、赤ペンで添削回答が返送された。

 その返送される容姿の巻頭に、いつも書いてあった。(世阿弥の初心忘るべからず)も。

 いつも、誰かと喋る時、(次このように又会って話すことができるだろうか?)と考えてそんな時間が過ごせることがありがたく思う。また、初対面の方でも同様。

 こんな思いは、特に旅する時。本当に初めて訪れる所であれば、それはほとんどかみさんが計画したものだが、初め渋々、着いた途端に歩き回り楽しむ私がそこに居る。出会いを大切にしたい、また、同じように見えてもどこかしら、違うところがあるように感じる。

 次に、手紙などの最終行に書いていた、「健康、勇気、自信」

 健康について。

   私の家系には病気がちな人が多かった。じいちゃん要馬(ようま)は、長い間、自宅で療養し、寝たり起きたりの生活をしていた。ぼんやりと、じいちゃんの薄暗い部屋に朝ごはんの御膳を運んだ事を覚えている。枕元に置く寸前に、ひっくり返してしまい泣き叫んだ事も。

 また、とおちゃんの、お姉さん(菊枝:きくえ)は、子供が産まれすぐに亡くなり、その子も同じ歳に死んで短い間に2回の葬式をあげた。

 また、今年無くなった私が大変お世話になった薫(かおる)おじちゃんに至っては、大変な健康優良児だったが、とおちゃんが、金沢の旧制中学に進学し農作業の人手が足らなくなって無理が重なり肺結核になってしまった。幸い肺の大部分を取ってしまい一命を取り留めたが力仕事ができない体になってしまった。

 こんな環境で育った私なので、まず一番先に大事にするのが、健康だ。

 次に勇気という言葉は、うろ覚えだが、チャーチルが国民と自分を鼓舞し、団結を呼びかけた時に使われた言葉だと思っている。

 全てのことを失っても、「勇気」だけ失わなかったら前に進める。

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 最後に、自信。

この言葉は、大学浪人生活をポツンと初めてのひとり暮らしを東京で始めた時につくづく根拠のない自信でもないと生きてはいけないと、強く思ってから、大事にしている言葉。

 手紙、ハガキには、誰彼区別無く締めの言葉はこの3つを書いていた。書くたびに、それぞれの言葉の重さに違いがあった。