捨てればゴミ、集めればストーブの焚き付けの牛乳パックに込められた苦い思いで。

 毎年冬に向かうこの季節、私たちはこれまで資源回収に出していた牛乳パックが活躍する?

 それは、洗って十分に乾かしてから、まずそこを切り離し、残りを半分にして切れ目を入れる。この切れ目を入れるのが重要。そうしないと火がつきにくく🔥また、立てにくくこの上に小さな薪が置けないのでこの形がベスト。

 この牛乳パック焚き付けを作るたびに非常に苦い思い出が蘇る。

 それは、国立能登青少年の家に、孫2人を連れてキャンプに行った時のこと。夕方、10組以上の家族が参加して、火のおこし方を習ったり、つけた火で豚汁を作ったりして楽しく過ごした。

 みんなお腹も満たされてキャンプ場の後片付けをして帰ろうと見回すと孫のうち下の子がいなくなっていることに気づく。他の子もたくさん入り混じっていていなくなったことに気づかなかった。

 さあ大変。辺りは少しずつ暗くなる。世話をしているスタッフに伝えて参加している皆さんに探すことに協力していただけないか伝えてもらう。すると、もう1人別の家族の子供も居なくなっていることがわかる。たぶん2人で、林の中を探検しているのだろうと想像できた。 

 皆さんが、それぞれ大声を出しながら探していただいた。

 その間にも、少しずつ太陽が沈みかけて辺りは暗くなっていく。歩き回ると、ため池があったり、小道が崖の横を通っていたりしていてまさに自然の中。普段なら満喫できる雰囲気もその時は、2人どこかに怪我なんかをしていたりしないかと心配が先に頭をよぎる。

 それ以上に、息子夫婦に見つからなかったらどう説明すれば良いか?そんな不安ばかりが頭の中に渦巻いてくる。

 こんな時間が30分(感覚的には、2時間以上)たった頃、スタッフの1人が迷子の2人を見つけてくれて無事私たちの元に帰って来た。まさに心臓がもう少しで止まりそうな苦い時間だった。

 今では笑い話の一つになったが、もし、見つからなくて、翌日まで捜索が伸びてしまっていたら

と思うとやり切れない。 

 この時に教えてもらったのがこの牛乳パック焚き付けだ。