高校生の私が数学の教師、上田 外志夫先生から学んだ事❗️

 数学は、中学時代から英語と並び、私には得意科目だった。

 邪な気持ちで受験しどっ滑った附属中の親玉、附属高校に行けるなどとは夢にも思わなかったが、姉ちゃん(すぐ上の志津子)の頑張りによって、潜り込めた。

 ただ、大好きな数学だったが、レベルが違う。何言っているのか分からず。

 いつもの分からないところはトコトン質問するのだが、分からないところが見つからない。

 上田先生(私たちは親しみを込めて上田さんと呼んでいた)から、学ぶ前の大切なことを、教えてもらった。

 

(2018.11.11)

それは、ノートの使い方。

 「ノートは、勿体無いと思うかもしれんが、左側半分だけ初めは使うように!右側は、後で何か思いついたり、深く解った時に書き足すように。

 勉強は、予習より、復習に力を入れるように❗️」と言われ、内容がほとんどわからない私は、藁をもすがる思いで、言われた通りに数学に対する勉強の時間を過ごした。

 かなり時間が過ぎていくうちに、授業では理解できなかった部分が、復習に力点を置くうちに、自分なりのペースでゆっくりわかるようになって行った。

 それでも、全体の半分くらいの成績だったが、4学年下のかみさんのように、試験中お腹が痛くなったり、分からなくて眠気に襲われるということも無かった。

 何というか、それなりの落ちこぼれだったが、そんな自覚はサラサラ無く、少しずつ、どこがわからないかわかるようになり、質問もできるように成長した。

 授業中に質問すると、わからないのが私だけのケースが多く雰囲気から白けた雰囲気になるので、授業が終わってから、教官室に繰り出すようになる。

 今から思うと、上田さんもゆっくりタバコ🚬を吸い休憩したかったのに、基礎的な私からの質問に辟易したのではないかと申し訳なく思う。

 高3の学年担任でもあったので、大学受験での内申書の記載についても苦労されたと思う。

 ある時、皆の前で「 内申書は、みんな心配するな!君たちが不利になるようには書かないから、しかし、あまりにも見え見えの嘘は書けない。例えば、坂井(私の旧姓)の内申書に、都会的な洗練された生徒、などと書いてもすぐにバレるし、、」と言って、皆が納得していた。

 兎にも角にも、私が一年浪人してでも大学に合格できたのも、上田さんをはじめ、先生方全員のお陰だ。 

 ここ最近、先生のご自宅に一年に数回顔を出す。

 その際、庭にある樹の一つを指し「この樹は、君の親父さんから、卒業式の後頂いた、マンゲツというものだ。こんなに大きくなった❗️」としみじみ言われた。

 とおちゃんが、そんなことをして、出来の悪い息子を見てもらった感謝の気持ちを表したのかと今更ながら親のありがたさを感じる。