私が書道を学ぶわけ。今からでも遅くない?

  私にはいくつか悩みがある。

そのうちの一つが、悪筆という事。

 生活の中では、メモで書いて伝えようとしても相手に伝わらなく、迷惑をかけている。または、時にこちらの気分を害さないようにと気を遣ってもらい、直接、間接的に、聞き直してくる。

 本当に申し訳なく、何とかスムーズに伝わるようにと、丁寧にしたためるとその時だけは伝わる。

 しかし、そんな私の姿勢は長く続かない。

 誰からも信じてもらえないが、故郷、金沢市立医王山小学校の6年生までは、書初めで、金賞をいただいたこともある。左義長で、クラス全員の書き初めを燃やす時、誇らしげに燃えるのを見つめていたのをはっきりと思い出す。

 ただ何故か、ある時から、ノートに書く文字が乱れて来る。

 ただ、大学生になるまでは、自分の書いた文字が読みづらいと、苦労するのは自分なので極力わかる程度には気をつけて書くようにしていた。

 前職、川崎重工でも、報告書などは、まだ、パソコンでなくワープロでも無かったので、出来るだけ文字数を少なくして書いて提出していた。 

 縁があり村松に婿入りして劣等感に晒される。

 先代七九(しちく)は、私から見れば、サラサラっと、習字の手本のような文字を書く。敵いそうもない。

 どうやら、先代に倣って丁寧に、また練習すれば良かったのに、私は半分諦めてしまった。

 しかし、実害が出て、伝わらない現実がおこり、心新たに、丸山敏雄先生が始められた「秋津書道」の会に入会し、月一度、練習するようになった。

 まだまだ、先は長い道のりだが、少しでも伝達の役割ができる文字が書けるようにするのが私の今の課題。

 練習は、まず墨をすることから始まる。この時間は、なぜか心持ちがゆったりして来る。墨汁を買うという方法もあるが、そうするとこの有難い時が得られないので、じっくり墨を動かす。

 いた段落すると、まず、何度も新しい紙に書いていた。

 しかし、ある時から、エアー習字。手本の文字を何度も指先でなぞって形を動きから覚える。

 このように工夫しても、まだまだほど遠い。

 諦めず続けることにする。

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